杉本憲相展と「キャラ・アート」について

中央本線画廊での杉本憲相展で感じた、杉本の真面目さと凡庸さは「キャラ・アート」とでも言うべきものが既にジャンル化したことの証左に思えた。杉本が既存のキャラを扱う時に、2017年にらき☆すたを選択することの、絶妙な古臭さ。カオス*ラウンジが2010年…

シックスハートプリンセス第2話

TOKYO MXでシックスハートプリンセス第2話を見た。これは30年前のOVAを見せられている気分に近いのではと思った。つまり、類型的な表現を採用する必然性が薄れ、なんとなく型を踏襲していること。演出が拙く整合性の無いこと。一部にはやたら気合の入った…

ゲンロン5刊行記念トーク 東浩紀×梅沢和木「視覚から指先へ」を聞いた(twitterまとめ)

昨日の東浩紀、梅沢和木トークは「視覚と視覚以外」という区分が面白く、そこから「人を分断するメディアと人を連帯させるメディア」と敷衍されていた。会場からの質疑にこたえる形で、東がまだ自分の中で説得的に語ることができない事柄(自分の中では理路と…

「新・方法」メールマガジンに寄稿しました。以下転載。

「新・方法」第54号寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第54号をお届けします。今号の寄稿者は、キャラ・画像・インターネットの研究を行っているgnckさんです。 [寄稿]となりのトートロジー、遍在を再演する場 gnck(キャラ・画像・イン…

村上隆の五百羅漢展 (twitterまとめ)

村上隆の五百羅漢見た。かなりがっかりである。期待もあっただけに。 瓢箪のハーフトーンも画像で見た感じかなり良かったのに、色が全然良く無かったり、表面の磨きがまばらで、白い画面なのに光の反射が汚く見えたり(あれを工芸的というのはちょっと工芸舐…

水戸芸術館「田中功起 共にいることの可能性、その試み」(twitterまとめ)

水戸芸術館の「田中功起 共にいることの可能性、その試み」を見た。メインとなる作品は、6日間にわたるワークショップを撮影した映像を、複数のディスプレイ、スクリーンで上映するもので、すべての映像を見ると240分になる。他にはヴェネツィアビエンナー…

3Dスキャン面白いなぁという話

3Dスキャン(複数写真から生成する3Dモデル。呼び方3Dスキャンでいいのかなぁ。)面白い。具体的には、谷口暁彦と山内祥太、あとノガミカツキか。 思うに、3Dスキャンを見ることって、絵画しか知らなかった人間がはじめて写真を見た経験に近いのではない…

カオス*ラウンジ新芸術祭2015 市街劇「怒りの日」を見た。

9月22日に、上野駅発の特急に乗り、いわき駅で9月19日(土)から10月4日(日)まで開催されている、カオス*ラウンジ新芸術祭2015 市街劇「怒りの日」を見た。率直に言って、行って損は無い展覧会になっている。会場はいわき駅周辺の3会場を使用しており、それぞ…

キュレーションについて

雑然と書くけれど。(基本的にはキュレーターには直接伝えている内容である) 世界制作のプロトタイプ展始まる前には、2万字コンセプトからも、前回のwave展からも、あんまり何が言いたいとか無いんだろうなぁという風に見ていた。色々引用されても、頭よさ…

あけましておめでとうございます。2014年はいつになくあっという間に過ぎ去った年でした。主に労働者として忙しかったわけですが。 1年間何があったかと振り返ると、美術手帖の芸術評論募集で第一席になったことでしょうか。それに付随して、HIGURE17-1…

Gレコはやっぱ1、2話が最高だったなという話。

Gレコ14話まで見たけれど、やっぱり1、2話が最高で、以降はうーんという感じ。キングゲイナーも1話が最高でしたね。基本的に話が立ち上がるところが好きというのはあるのだけれど、それだけではなくって、リギルドセンチュリーでは、宇宙描写の再定義、MS…

無人島にてを見て彫刻的とは何なのかとつらつら考えた。

京都に行き、「無人島にて」を見たのだけど、「彫刻充したぜぇ〜」という気持ちにならなかった。そこで、彫刻的な鑑賞体験(というか、彫刻充したぜ、という満足感のもと)とはなんなのかな、と考えたのだけど、やはり、一望できなさ、なんだろうなと思った…

MOBILIS IN MOBILI梅沢和木論、二艘木洋行論が公開されています。

北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILIのサイトにて、図録に寄せたテキスト「梅沢和木 キャラと画像とインターネット 画像の演算性の美学1」「二艘木洋行 お絵かき掲示板と(お)絵描き 画像の演算性の美学2」が公開されています。 http://mobilis-i…

美術手帖第15回芸術評論募集第一席を受賞しました。

美術手帖主催の第15回芸術評論募集で、「画像の問題系 演算性の美学」が第一席となりました。9月17日発売号への掲載、およびWEBに載ります。【10月5日追記】webにpdfが掲載されています。また、twitterでのまとめもあります。

ucnvトーク覚え書き

覚え書きにつき、記憶違い、解釈の違いなどあるかも。2014年2月16日、ICCにて。 ucnv Tab. Glitchという作品は、「グリッチの作品を」ということで作った。ヘッダは壊さない、4種類のルールで壊す、などいくつかのルールを設定して行っている。グリッチは現…

梅沢和木が扱うのは、キャラの死体か

震災は人々の生を断片化し瓦礫に変えた。被災者にとってかけがえのない思い出の品が、そこではあらゆる意味を剥奪され、物質へ還元され、「ゴミ」に変えられてしまった。それは耐えがたい経験だが、しかし不可避の現実でもある。オタクたちが愛するキャラク…

黒瀬陽平『情報社会の情念』を読んだ。

黒瀬陽平『情報社会の情念』を読んだ。とりあえず、梅ラボについて、 「キャラクターのおばけ」だけを使って絵を描くことのできる唯一の作家」 としているにも関わらず、何故、「キャラのおばけ」性を自ら引き寄せることなく、直截的にキメこながコピペされ…

『創造の欲望をめぐって―キャラ・画像・インターネット―』目次

論文、『創造の欲望をめぐって―キャラ・画像・インターネット―』の目次です。 内容としては、2011年、1月の時点で執筆が終わっているもので、展覧会「JNT×梅ラボ 解体されるキャラ」の問題意識を引き継いだ論文になっています。 メール、もしくはtwitter id …

MOBILIS IN MOBILI 交錯する現在 カタログに寄稿しています。

コーポ北加賀屋で開催され、現在Gallely MoMo projectsとCASHI°で巡回展が開催されている「MOBILIS IN MOBILI 交錯する現在」のカタログに、梅沢和木論、二艘木洋行論で寄稿しています。

講評とは何か

最近、展示に行って「講評してくれ」と言われる機会が何故か立て続けにあり、困ってしまったのだけれど(つまり、上から目線を期待されてしまうと弱ってしまうわけなのだけれど)では、講評とは何か、それが批評とどう異なるのかを考えると、自分の行う批評…

同人誌『ニコちく―ニコニコ建築の幻像学』に寄稿しました。

MobsDrive | 集合欲研究会ブログ/ニコちく跡地同人誌『ニコちく―ニコニコ建築の幻像学』に寄稿しました。Minecraft内のブロックで制作されるドット絵についての考察ということで依頼を受け、「ビットマップとインターフェイスの美学」と題したテキストを寄…

GIFはどう硬く、JPEGはどうぬめっとしているのか

インターネット・リアリティ研究会の座談会の、「GIFとJPEGどちらが硬いか」という話題*1だが、これはGIFとJPEGの要件を考慮すれば簡単に理解できる*2。あと、ここでいう硬さはおそらく「よりソリッドである」という意味。GIFが硬いのは、その圧縮方式が、色…

お絵描き掲示板のインターネット・リアリティ

座談会の文字おこしがアップされました。ICC ONLINE | インターネット・リアリティ | 座談会「お絵描き掲示板のインターネット・リアリティ」

電子のメディウムは光を介在することで人の目に認識される。(twitterまとめ)

蒸気機関車が、現行の電車の車両よりも圧倒的に魅力的なのは、明らかにそのメカニズムのフェティッシュさゆえだ。蒸気がピストンの動きに変換され、複雑な機構によって車輪が駆動し、鉄の巨躯を疾走させる。その色気はメカニズムのワンダーだ。機構を明示す…

植物の美しさに感じ入ることができないものに、グリッチは分からないだろう。

演算が美しいとは、計算が美しいとは何を言っているのか。確かに意味がわからない。数学では時折、公式に対して「美しい」という言葉が使われるが、そのような整然とした法則の美しさ、といった意味なのだろうか。「演算が美しい」というのは「自然は美しい…

画像の演算性の美学

gifの色数が2の倍数であること。ブロックノイズが8×8pixであること。ジャギーが矩形であること。グリッチが水平性を持つこと。プログレッシブjpegが徐々に解像度を上げて表示されること。画像の演算性の美学。*1 「演算が美しい」と言うならば、普通連想され…

梅ラボインタビューと『10年代の終戦』twitterまとめ。

梅ラボ自筆画のほとんどが白黒や、着色も原色を単色で塗るなど、やっぱ絵の具を使って色を使うと全然なのだが、コラージュでああいう色彩になるの面白い。ただ、絵の具を取り込んだ画像を扱う場合、やはり赤や青などの単純な色彩に溺れる傾向にあるように思…

美術には造形のレベルと概念操作のレベルがある

色彩を考えること。形態を考えること。美術の営みにおける、形や色を作る行為・・・「造形」に照準をあわせれば、その造形に対する態度として 「造形によって何をするのか」 「造形そのものに深く沈潜していけるか」 という二分ができよう。普通、美術史を参…

『ネット絵学』(百化)に寄稿しました。

ネット絵学作者: 虎硬,エス,NUL,八田モンキー,shirakaba,とりかわ,にほへ,いとまん,1047,ギバ=リャン出版社/メーカー: project百化 販売:密林社発売日: 2012/05/05メディア: ムック クリック: 23回この商品を含むブログ (1件) を見る百化によるイラスト批評…

百瀬文個展「なぞる人々」

3月2日から7日まで、新宿眼科画廊にて開催されていた百瀬文個展「なぞる人々」を見てきた。会場には3つの映像作品と、ひとつの立体(+映像)作品があり、それぞれバリエーションがありつつも、映像というメディアへの言及としての個展であった。作家自身が登…