黒瀬陽平『情報社会の情念』を読んだ。

黒瀬陽平『情報社会の情念』を読んだ。とりあえず、梅ラボについて、

「キャラクターのおばけ」だけを使って絵を描くことのできる唯一の作家」

としているにも関わらず、何故、「キャラのおばけ」性を自ら引き寄せることなく、直截的にキメこながコピペされた《うたわれてきてしまったもの》を称揚するのだろうか。
「キャラのおばけ性」=キャラの記号的なパーツの現前性は、あきらかに(震災以前の)《東方新超死》《グラシャラヴォス》《少女千万魑魅魍魎》といった作品群に濃密である。一方で(震災以降の)、たとえば《魔方陣》シリーズや、《とある人類の超風景》での唐突な仏像の引用など*1、梅沢が持っているキャラのおばけ性が発揮されていない。

*1:これは黒瀬的意味での「情念定型」なのだろうか?