Gレコはやっぱ1、2話が最高だったなという話。

Gレコ14話まで見たけれど、やっぱり1、2話が最高で、以降はうーんという感じ。キングゲイナーも1話が最高でしたね。基本的に話が立ち上がるところが好きというのはあるのだけれど、それだけではなくって、リギルドセンチュリーでは、宇宙描写の再定義、MSの再定義をやるぞ、という話に思えたというところが最高だった。
まず1話では、打ち上げではなく起動エレベーターを使って宇宙に上がっていく。ほとんど電車での旅行みたいなんだけど、行先は宇宙で、モビルスーツ実習をする。モビルスーツも、この時代には一度廃れた技術を復活させているので、完成されていたりオーバースペック過ぎたりはしない。まずレクテンは戦闘用のですらないし。「うお〜、ファイト!ファイト!」とかの儀式は、低重力下や無重力下だったら、気合入れるときはこうなるわな、っていう演出で、描きづらい角度でわざわざやってて良いわけです。はじめてモビルスーツにのるときのベルのわくわくした感じも、モビルスーツに乗るって、こんな経験なんだよ!というのが出てる。「動体視力が必殺兵器になるんだからな」っていうのは、今回の宇宙戦闘では動体視力おしでいきますよ、ということ。ミノフスキー粒子も緊迫感を演出している(クラウンが海賊に襲われる中で、どうにかモビルスーツに乗っているのは実習生たちだけ!)のだけれど、最高に痺れるのは、グリモアが地球ゆきのクラウンめがけて真下に飛んでいくシーンで、これ一発で「あぁ、宇宙空間は、こんなにも足元がおぼつかないんだ」「モビルスーツは宇宙戦闘機なんだ」っていうのが伝わる。レクテン対G-セルフが良いのは言わずもがななんで省略しますけど、作業用の機械をどうにか使って戦うっていうのはそもそも熱い展開である。(吉田健一の描いたキンゲの初期のイメージボードも、作業用シルエットエンジンが出てきたりしていたな)アイーダがつかまって髪の毛が広がるのも、「今回はちゃんと無重力描写しますよ!」っていうのと、「密閉空間はほこりが舞ってるし、においもこもってるんだな」みたいな演出になっていて良い(エンディングのベルリが髪の毛をしばっているのも、ノレドがああいう髪型なのも、無重力で髪の毛が広がるからかな?と思ったけど、別にそういう演出にはなっていない。1話中だと割とふわっとしてるようにも見えるんだけど)。
2話は、基本的にはモビルスーツの巨大さ演出で、空襲されれば甚大な被害が出るし(これはシリーズで繰り返し出てくる場面だけれど)、MSが水面に着水すると波が立ったり、木の橋を踏み抜いたりと、18mの金属の塊が動くとどうなるのかということがさんざん描写されていく。クライマックスのシーケンスがやはり良くて、グリモアの銃の薬莢が街灯を破壊するところから、巨大であるだけで持つ暴力性みたいなものが伝わる直後に、今までのUCのMSではあり得ない速度のパンチのラッシュ。そして絶叫。人間の10倍サイズの鉄拳があの速度で動くということだけで(別に強力なメガ粒子砲が、とかそんな話ですらなくても)いかに強大な力なのかというのが伝わってくるわけですよ。そりゃ「ビームサーベルを使います」「なんだって!?」ってなるよな、っていう。戦艦に乗ってドンパチやるだけの話ではなぁ、というところです。