鈴木謙介 サブカル・ニッポンの新自由主義 読解2(斜め読み?)

今更だけど、これって著作権の侵害かなぁ。買ってもないし(笑)引用は、新しい知見が無いと成り立たないので、頑張って新しい知見を捻り出そうかと思います。

第二節 約束の土地、終身雇用

第二節では、ロスジェネからの団塊批判が持つ危うさ(能力が無ければ救済しなくてもいい?)と実体としての団塊、正社員が安定した既得権なのか?(90年代にはリストラに怯え、自殺率の急激な上昇を見ながら、これからの年金制度には不安が付きまとっている)を指摘したうえで、「安定した正社員」が維持不可能であることを説明していく。

自民党社会党の支持の変遷を見つつ、何故か社会党社会主義の崩壊以前から支持を失っていることを指摘し、自民党が支持を得たのは、男性正社員に対して、各種の行政指導や規制による利益誘導を行ったためではないかという。

(途中で、そもそも日本は近代化後発国であり、そのために有権者は、「どこに道路を引くか」などが決定できる、官僚とのパイプを持った政治家に地域に対して利益誘導を図ってもらおうとする。故に与党を支持するという説明があり、なんとそうだったのか、という感じ。)

しかしながら、そういった企業を介した福祉政策とでも呼べるものが、70年代を境に機能不全を起こし始めるのだという。つまり、正社員の安定性というのは、高度成長を前提とするものだったというのだ。

次に、地方と都市での格差を取り上げる。都市に本社を置く大企業の地方支店の収益は、都市の企業の収益としてカウントされる。また、そうすると地方ではなく都市に税金として納められるのだ。仮に都市から地方への再分配(税金、あるいは支社への資金分配)が滞ると、地域での循環が悪くなる
=地域経済が悪化するというのだ。

政府が企業経由で行ってきた間接的な保障ではなく、日本で生活していくためのラインを政策的に決定し、直接的な保障を行っていくべきだと主張する。ここら辺は最近ベーシックインカムとして話題。

ここら辺のトピックは
1.安定した正社員は高度経済成長を前提としていた。
2.しかもその安定は、政府によるものではなく、企業によるものであった。
3.構造的な地域収奪が地方の不況を招いている。
といったところか。他にもいろいろ気になる話題、よく分からない話題があったけれど、本論をかいつまむとこうなると思う。
ただ読んでいて、ものすごく歯切れが悪い。あっちゃこっちゃに話が飛ぶ印象がある。結局結論を言っていない。断言する方が耳に心地いいからと言って正解とも誠実とも限らないのは分かるけど、それにしたって、、、と思わないでもない。まさかこらえ性が無いだけ?(こないだ読んだばかりの)小室直樹にモデルを使え!と言われそう。


(第三節に続く。)