「審議経過報告への意見」

文化庁パブリックコメントを募集していたので、書いてみました。

こちらはtogetterでのまとめ。
文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に関する意見募集の実施について - Togetter

意見は以下の通り。


第1文化芸術振興の基本理念 【2頁】

「文化発信面で国際社会に遅れを取ってはならない」とあるが、日本なりのポジション取りができればいいはずであり、他国より進んでいる/遅れているという話では無いはず。日本が国際社会においてどういう立ち位置を取るか、という戦略き、それにのっとって行動することが必要ではないか。

第二(4)文化芸術の次世代への確実な継承【4頁】

文化財の公開・活用を一層進める」とあるが、優先順位としては、アーカイブの整備が先決では。
長期的視点に立った投資は、国家以外の主体には難しいという事を考慮して、優先順位を明らかにするべき。


第二(2)?メディア芸術に関する貴重な作品・資料等のアーカイブの構築

web上のSNSの保存も検討していくべきではないか。
たとえばイラストSNSのpixiv(http://http://www.pixiv.net/)は会員数220万人、1日に投稿されるイラストが1万枚を超えるなど、
世界最大のイラストの交流のフィールドとなっており、仮にこれらのデータが消失すれば、それは世界的な損失であるとすら言える。
データであることを考えれば、そのアーカイブ化は容易であり、コストパフォーマンスが高いアーカイブといえる。
これが一私企業によって任されているという状況を、今後どのように国民共有の財産として保護していくべきかについて、議論を深めるべきではないか。
同様に、ニコニコ動画http://www.nicovideo.jp/)など、日本発のウェブサービスアーカイブも検討するべきである。

別添 メディア芸術・映画WG意見のまとめ(3)?新人クリエイターによる発表の場の創設などの専門人材の育成 【11頁】

「若手クリエイターの作品発表の場が少ない」とあるが、web上には、youtubeニコニコ動画、pixiv、myspaceなど様々なSNSがあり、そこで作品の発表は活発に行われている。
国家が作品発表の場を用意する必然性に説得力が無いのではないか。

別添 メディア芸術・映画WG意見のまとめ ?(4)産業や観光面の振興,研究機能の強化及び国内外への情報発信 【12頁】

「海外からメディア芸術の留学生や研修生を積極的に受け入れ,これらの留学生等による帰国後の日本文化の発信につなげるべきである」
とあるが、マンガやアニメを研究したいと来日する留学生を十分に指導できる体制ができているかは疑問である。
学問的な基盤を確立することが先決ではないか。

別添 メディア芸術WG意見のまとめ ?(5)日本映画の振興のための支援の充実 【13頁】

「映画の鑑賞環境に関しては,東京と地方との地域間格差とともに,若者が映画をスクリーンで観る習慣が減少している状況が憂慮される。ネット上での映像配信に慣れている若者には,映画館での鑑賞体験を持てるようにする必要がある。」
とあるが、国家的に支援することの意義が不明確である。
何故、スクリーンで見ることを行政が推奨するのかの合理的な説明が無い。

別添 舞台芸術WG意見のまとめ 【概要】1.舞台芸術を振興する意義 【1頁】

舞台芸術は,人々に真の心の豊かさをはぐくみ,衣食住と同様に人が生きていくために必要不可欠なものである。」
とあるが、衣・食・住・舞台芸術というのは明らかにおかしい。何故芸術全般ではなく舞台芸術であるのかの合理的な理由が無い。
舞台芸術であろうが、その他の芸術であろうが、文化を振興したり、社会基盤を形成したりできるかどうかは、その運用にかかる問題であり、
行政が舞台芸術のみをその位置に据えることに合理性が無いのではないか。

別添 舞台芸術WG意見のまとめ (3)子供たちが優れた舞台芸術に触れる機会の拡充 【6頁】

「できるだけ小さいころから,優れた舞台芸術を鑑賞する機会を可能な限り多く提供するべきである。」とあるが、
子供の発達段階に応じてポップカルチャーを含め多様な芸術に触れる機会を提供するべきであり、
あえて舞台芸術を鑑賞させることに合理性が無いのではないか。

別添 美術WG意見のまとめ 3.(1)?博物館の果たすべき役割やその重要性についての理解促進方策 【15頁】

「 また,今日,家庭・職場に次ぐ第三の場,精神をリフレッシュし,明日への活力をもたらす場としても博物館は期待されている。」
というのは、どのような資料に基づいているのか。
また、「多面的な機能を備えた新たな博物館像を形成することが重要」
とあるが、博物館に機能を次々と足していくのではなく、博物館が持つ、教育、研究、展示、保存、収集、修復など機能を分析し、理念に沿って適切に運用し、場合によっては機能を限定するべきではないか。
市民の支持を得ようとするあまり、博物館の本義を見失っては本末転倒である。
多面的な運用にはどういったコストが必要なのか、どのような役割分担を行えば適切な運用となるのか、といった、国家戦略的な視点が必要なのではないか。

別添 メディア芸術WG意見のまとめ (2)?分野ごとの特性を踏まえた検討 【11頁】

ゲームに関しては、寄贈に頼るだけでなく、せめてハードの購入を検討したらどうか。
また、ゲームに関しても、実際の完成品だけでなく、周辺資料や、オーラルヒストリーを早急にアーカイブすべきである。