交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい を見てきました。

最近、場面場面はクオリティーが高いけど、フィルムとしての成り立ちが甘いというか、調和していないというか、作品化していない、ということが非常に気持ち悪い。


思ったことは、主人公が結局ホランドなのに、そっちに振りきれていないというか、運命を背負って、損なわれていて、それが回復されているのは、ホランド
だったら、きちんとレントンホランドでケンカさせればいいのに、最終的な戦闘がレントンが朦朧としていて、対立になっていない。
神話再生計画だとか、ネバーランドドーハの悲劇だ、色々軸は出てきているけど、肝心の人物の感情の部分がブツ切れで凄く、気持ち悪い。というか。
ハップはどうなるの?ただ、レントンをけがさせてドラマを盛り上げようと(するべきだけど、あの方法はダメ、でしょう)しただけにしか見えない。あのあとタルホが「レントンの事を聞いた」というけど、「ハップのことを聞いた」と言わないのがすごく不自然じゃないの。
最後の対立がホランドレントンの対立なのならば、ドミニクを先生にする必要なんか無くって、ホランドレントンの因縁を作った方が余程話として成立するんじゃないのか。これだったら総集編の方がよかったのでは、というか。あと、エウレカのよく分かんない感じも増してたなー。ACE3のエウレカが完全にお飾りのヒロイン化してたんだけど、やっぱりなんか共感できんよな。子供達もいないし。
場面場面のクオリティとか、サーカスはすごかったけど、フィルムのテンションと、共感の度合いが不整合で、気持ち悪い。ロジックとポエジーとがフィルムの中で調和していないというかな。

んー。なんだかな。

フィルムが倫理的じゃない。というのが凄く気になる。んだよなー。

同じボンズの忘念のザムドの、フルイチの最期も納得がいかない。気に食わない。許せない。
主人公が、フルイチを助けたのにも関わらず、結局“成仏させてない”。自殺、というのが、意味分からん。なら何故フルイチを助けたのだろう?

大塚英志の「死なないキャラの死をどう描くのか」という倫理というのか。

あと、新ニルヴァーシュが格好良くない。ジエンドが活躍しない。のが不満。

ニューオーダーは、「生アフレコ」だからこそ強度を持ち得ている、のであって。